2022年6月21日、一般社団法人ひとのわコミュニティスペースにて、川越雅弘氏(埼玉県立大学教授)による講演セミナー「地域課題の解決に向けた当大学の取組について-大学をハブとしたネットワーク構築とマッチング-」を開催いたしました。
「ひとのわ」が資金支援している、「子どもの貧困」を支援している個人や団体を含む、地域の課題解決に向けていろいろな取組をしている団体や個人、そして国や自治体をどう結びつけていくのか。現在、高齢者向けの仕組みとしてある「地域包括ケア」を全世代対応の仕組み「地域共生社会」として変えていこうとしているお話などを、川越教授の活動の実例を交えながらお話いただきました。
そもそもなぜ大学が地域のハブとなりネットワーク構築とマッチングを行うのかというと。
「現在、国は課題解決のためのプラットフォーム作りを推奨していて、要は多様な担い手が参画をすることによって、地域の課題を解決するような活動を促していこうと考えている。これが難しい。
お互い上下関係でもない組織の中の、共通の組織に属しているわけでもない地域という枠組みに入ってるだけの話で、そこで活動していろんな団体をつないで課題解決に持って行くような話をしなければならない。
NPO、社協。あと医療介護職も必要に応じて入ってもらわないと困る。商工会とか民間企業とか住民、自治体とかも入ってもらわないと困る。
ということを考えたときに、堅い形の会議を得意とし、自由度がある話を苦手とする行政はここのハンドリングはおそらく出来ない。なので事務局は(公と民の)中間的なイメージが有る、その地域の公立大学が担うというのが一番おさまりがいいんじゃないかというふうなイメージを持った」
とのこと。
■最終的に目指しているゴールは、地域課題が多様化法としている中で、多様な社会を巻き込んで追加が解決すること
これを目指すために、生活困窮者の人が何に困っているのかを知っている人と、生活困窮者の人に支援できる方法を持ってる人、この人たちを繋げないといけない。そのために2週に1度という高頻度で地域包括ケア推進セミナーを開催し、支援者ニーズや支援者活動の実態把握に努めたそう。
年1回などのイベントでなく定期的に行うことが重要で、地域の人にこういったことをやっているということを定着させることが肝心とのことです。
こういったセミナーで、具体的な支援が必要な課題を別の支援者の方が初めて聞いたりすると、通常、そこで1つの団体が活動範囲を広げて自分たちがその課題を解決しようとすることが多々あるとのこと。しかし、活動範囲を広げていって、そのための運営費用が必要になっていて、いろんな所に補助金を取りに行って補助金申請でまた大変な思いさせてということが起こっている。
そういった本末転倒な事態を起こさないために、活動団体のみならず民間企業含め、それぞれができる支援の把握と、需要と供給のマッチングをセミナーを通じて行い、具体的な支援につなげていくそうです。
川越教授によると、同じ取組をおこなっている支援者同士のネットワークは存在するが、他の運営者と協同する動きはあまり見られない(学習支援チームと食支援チームのコラボなど)とのこと。
しかし年齢や状況によって支援ニーズは異なり、「継続的な支援」が課題となっているため、支援者同士のネットワーク化と具体的なコラボを促す取組が今後必要であり、そのための手段として、セミナーやシンポジウムは「支援ニーズや思念者の活動実態を把握する手段として実践的かつ有用であること」「支援者支援の手がかりともなる」ことがわかったため、活用をオススメする、とのことです。
こういった交流を通して支援の輪を広めることは、当団体名称「ひとのわ」の由来ともなった「ひとのわとは、人の和であり、人の輪」「子どもが笑顔になるための活動をしている人たちを繋げる和と輪となり、応援したく思っています」という設立の精神とも合致するものであり、今後我々も実践していれければと考えております。
今後も「ひとのわ」では定期的に講演会・セミナーなどを行っていく予定です。
講演会・セミナーにご興味をお持ちの方やは、コンタクトフォームよりお問い合わせください。